【初めての相続】最小コスト&最短(3日)で不動産登記手続きを完了する方法を解説

不動産(遺産)相続 デジタル化
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親父が亡くなって不動産を相続することになったけど、

どうしたらよいかよくわからないよ?

shibu
今回、私が初めて不動産相続を経験したので詳しく教えてあげるね。

本記事は、小生の親父が、2023年7月に、急遽亡くなって、実家の不動産を相続することになり、不動産登記申請(所有権移転)を自分で学習、実施した経験をまとめたものです。

不動産登記申請は、①法定相続人の調査、⓶法定相続人の説明図の作成、③被相続&相続人の戸籍謄本等の公的証明書の収集、④固定資産評価証明書の取得、⑤遺産分割協議書作成、⑥法務局への申請等、多種多様なタスクをこなす必要があります。

当該書類を自分自身で学習し、作成する意思と時間を確保出来る方は、自分自身で対応可能と思います。しかし、不動産相続に関する書類作成等の時間を確保できない方は、委託費用はかかりますが、行政書士等の専門家の方に依頼するのが良いかと思います。

本記事は、以下のお悩みの方におすすめです。

1.不動産登記(相続)を初めて行うが、何をしたらよいか迷っている方

2.登記(相続)の知識を自分自身で身に付け、申請含め全て行いたい方

3.登記(所有権移転)申請を最小コストで且つ最短で効率的に進めたい方

本記事をお読み、ご理解且つ実行頂くことで、相続に関する不動産登記が初めての方でも、最小限のコスト&最短日数で相続処理をすることが可能になるでしょう。

なお、相続登記をしないままにしておくと、相続人に更に相続が発生するなど、登記の手続をするのに必要な関係者が増え、手続が益々複雑になる場合があります。


また、令和6年4月1日法改正より、相続登記の申請が義務化され、期限は3年以内となります。

相続登記申請を怠った場合は、10万円以下の過料が懸りますので皆さん注意しましょう。

不動産の相続登記申請

不動産登記申請

相続手続き内容確認

不動産の登記(相続)手続き内容は、まず初めに、管轄の法務局を訪問し、担当者に確認します。

小生の場合、富山法務局へ事前に電話で予約し、予約日時に担当者と面談しました。

登記手続案内をご利用のみなさまへ

法務局の担当者との面談時間は、約20分と決められております。予め相続手続きに関し、疑問&不明点はリストアップしておき、当日、面談の場で質問するのが効率的によいと思います。

また、地方の自治体によって、相続に関する相談会を当該法務局後援により、司法書士会が、無料で開催しているところがあります。 

日程調整し、「相続に関する相談会」を利用するのもありと思います。

私は、今年の8月初旬、実家の町内の回覧板で「相続に関する無料相談会」の開催案内を見て、参加してみました。

司法書士の方との面談は、約20分間でした。が、どんな質問に対しても、詳しく教えて頂けるので、初めての方は、活用するメリット大と思います。

登記申請書の作成

地方法務局には、所有権移転登記申請書の解説及び注意事項、登録免許税の計算方法の例示、申請書の記載例及び相続登記申請 提出書類等一覧表が備え付けられており、各1部入手することが可能です。

(法務局のWEBサイト上に置いてあります。 以下の所有権移転登記申請書記載例)

所有権移転登記申請書 記載例

また、登記申請書は、法務局のHPからダウンロードし、マイクロソフトのWordで作成する方法があります。 (以下、様式&記載例)

様式 WORD様式、記載例

その他、法務局HPには、「申請用総合ソフト」という専用ソフト(無料)があります。

申請用総合ソフトを自分のPCにインストールし、作成した登記申請書データをインターネット経由で事前に登記所に送信後、登記申請書を印刷し、改めて登記所に提出する書面申請の方法があります。

申請用総合ソフトで作成した登記申請書には、申請書の内容が事前に登記所に提出されたことを示すQRコードが自動で印字され、電子証明書がなくても、オンライン申請と同様のメリットがあります。

申請用総合ソフトは、登記所に送信した登記申請書の受付から審査、終了まで進捗状況をインターネットに接続されたPCからオンラインで随時、確認することができるので、大変便利です。

QRコード(二次元バーコード)付き書面申請方法

なお、QRコード付き書面申請することにより、以下のメリットがあります。

  • 申請書の処理状況がWeb上で随時確認
  • お知らせメールが受け取れ、空いた時間に確認
  • 本システムで作成したデータの再利用可

小生の場合、受付から終了まで3日間で終了しました。

不動産登記完了は、予め登録したメールアドレス宛に通知され、タイムリーに状況を把握することができます。なので、その日の内に管轄の登記所に出向き、登記完了書を受け取ることができました。

登録免許税の納付

相続登記には、申請時、登録免許税を納付します。

登録免許税を算定する為には、申請する不動産のその年の固定資産価格を把握します。

登録免許税は、当該年度の土地と建物の固定資産評価額の合計に税率:0.4%乗じた額となります。

固定資産価格を把握する為には、市町村役場に出向き、「固定資産評価証明書」を入手します。

固定資産評価証明書は、登記申請用であれば無料で発行して頂けるので費用がかかりません。

ただし、発行にあたって相続人本人の確認が必要。なので、窓口で相続人の身分証明書及び被相続人の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)、改製原戸籍謄本の提示が必要です。

毎年、4月中旬、管轄の財務部資産税課から固定資産税等納税通知書が届き、課税資産明細書にその年の土地と建物の評価額が明記。 これを参考に固定資産の評価額を転記する方法があります。

固定資産税等納税通知書は、課税資産のみで非課税のものは記載されておらず、参考としてください。

登録免許税の納付は、収入印紙で納める形になります。法務局で販売しております。

申請用総合ソフトをお使いの場合は、アクションメニュー(A)に「登録免許税納入用紙の印刷(不動産)」があり、事前にA4判でプリントアウトします。

収入印紙購入後、登録免許税納入用紙の収入印紙貼付け欄に貼付け、登記申請書の後ろに綴じてから、申請書に押す申請人の印鑑で、その綴目に契印(割印)をして、管轄の法務局に提出します。

不動産権利者(名義人)の調査

不動産を相続するに当たって、現行の土地と建物の権利者を明確にしなければいけません。

管轄の法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)入手により、確認することができます。

登記事項証明書は、登記申請時に提出する必要はありませんが、以下3点確認の為、必要です。

 ①不動産の表示記載

 ②甲区所有権に関する登記の有無

 ③登記名義人の住所・氏名

不動産の名義人が把握できていないと、正確な相続処理ができませんので要注意です。

例えば、現行の土地の権利者が亡くなった父でなく、祖父であった場合、被相続人が祖父となり、これに伴い、相続人等の関係者が異なるので、相続処理も異なってきます。                                 (入手する被相続人の戸籍謄本が、違います)

登記事項証明書を請求する為には、以下の通り、管轄の法務局に出向く方法とオンライン請求がありますが、コスト&時間を考慮すると、オンラインが便利です。

  • 管轄の法務局の窓口での請求方法:                                                   法務局窓口での請求又は、法務局内に設置されている証明書発行請求機を使用。
  • オンライン請求方法:                                                               自宅や会社のパソコンからインターネットを利用して、登記事項証明書を請求依頼し、郵送。   又は、オンライン請求後に法務局窓口に出向き、受け取る。

登記事項証明書は、管轄法務局の窓口での発行手数料(収入印紙:600円)となりますが、小生は、WEB上の「かんたん証明書請求」を利用しました。

かんたん証明書請求は、電子決済(インターネットバンキング納付:手数料480円)可能なので、窓口に対し、120円節約することができます。

かんたん証明書請求による請求方法 | 登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと (moj.go.jp)

法定相続人の調査

不動産の相続に当たって、法定相続人を明確にしなければいけません。

法定相続人は、市町村役場で、被相続人の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)、改製原戸籍謄本、除籍謄本を入手し、これより明確化できます。

死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。 

(詳細は、国税庁HP No.4132 相続人の範囲と法定相続分参照ください。)

なお、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。

<第1順位>

死亡した人の子供

その子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となり、子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供の方が優先されます。

なお、法定相続人を明確にするため、被相続人の相続関係説明図を作成しておくとよいかと思います。

主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例:法務局 (moj.go.jp)

被相続人&相続人の公的証明書(戸籍謄本、住民票、印鑑証明書)取得

被相続人と相続人との関係を証明する為に、市町村役場で戸籍謄本等の公的証明書が必要です。

【被相続人】

戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)、改製原戸籍謄本、除籍謄本

住民票の除票又は戸籍の附表及び改製現戸籍の附表(本籍の記載あるもの)                          ※被相続人の登記記録上の住所と上記戸籍謄本の本籍が一致しない場合に、同一人であることを証明する為に必要

【相続人】

戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)、住民票(本籍記載あるもの)、印鑑証明証                        (発行元の市町村が、全国のコンビニエンスストアでのマルチコピー機で発行対応の場合、マイナンバーカードにより、出先での取得可)

遺産分割協議書の作成&纏め

遺産分割協議書とは、遺産分割協議の合意内容を記載した書面

遺産分割協議書とは、相続人における遺産分割協議の合意内容を記載した法的な書面をいいます。

遺産分割協議には相続人全員の参加が必要で、話し合いによって遺産分割の方法と相続の割合を決めていきます。

ただし、被相続人が、遺言書を残されている場合、又は相続人が1人の場合、法定相続通りに遺産を分割する場合、不要となります。

遺産分割協議書の作成方法

法務局のHPにある遺産分割協議書のひな型は、遺産が不動産のみでした。なので、遺産に金融資産等、不動産以外がある場合は、以下のテンプレートを用いることをお勧めします。

遺産分割協議書のひな形・テンプレート【無料ダウンロード】

遺産分割協議書の作成は、慣れていないので、ちょっとでも不安に思う方は、相続専門の弁護士に相談されることをおすすめします。

まとめ

 登記申請書には、原因の項目があります。

 原因は、被相続人(死亡した方)が亡くなった日(戸籍上の死亡日)を記載します。つまり、被相続人が亡くなった日から、相続が始まるのです。

ところが、不動産の登記申請は、複雑で難解であるため、法務局又は登記に関する専門家の資料を熟読且つ疑問点を予め専門家に質問するなり、自分なりに理解して進めないと対応できないのが現状です。

しかし、今では、WEB上で司法書士又は弁護士等の専門家の方が、相続に関して詳しく解説されている記事が多数あります。なので、相続に関する学習時間の確保と意欲次第で、専門家でなくても、登記申請は対応できるものと思います。

小生は、今回相続に関する申請書の作成は初めてでしたが、無料相談会の活用と法務局又は専門家が公開されているWEBの活用により、効率的に情報収集を行い、申請してから3日で、特に問題なく登記完了することができました。 

登記費用についても、登録免許税他、登記申請書添付の公的証明書取得手数料のみとなります。

これから相続に取り組まれる方、又は相続に関心のある方に少しでも参考になり、お役に立っていただけたら、大変嬉しく思います。

法改正により、2024年4月1日から不動産相続登記の申請が、義務化されます。

次の世代の為に正しく、確実に相続登記を行うことで、豊かな社会を構築していきましょう!

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