
今回、前立腺生検受けることになったけど
初めてなので不安だなー

年始に、生検を経験したよ。
生検について詳しく話してあげるから
安心してね。
一般的に、前立腺がん検診でPSA検査受け異常値判定された場合、確定診断として生検(生体検査の略称)を受検することになります。
生検は、疑いのある前立腺組織を採取し、がんの有無を確定するものです。
私は、昨年10月前立腺がん検診でPSA検査を受診した結果、5.0と上限基準(<4.0)を超えておりました。なので、精密検査要となり、近くのK病院&J大学病院でPSA検査の再検査をしました。
結果、PSA数値が3回共に、上限基準を超えていることが確認されました。
その後のMRI検査においても、前立腺がんの疑いがある箇所が確認されたので確定診断の為、J大学病院の泌尿科専門医師から生検を勧められ、今回受検することにしました。
本記事は、以下、お悩みのある方におすすめです。
1)前立腺がん検診の受診を迷っている方
2)PSA検査で異常値が検出され、不安な方
3)前立腺生検は、初めてで怖く、受検が不安な方
本記事は、前立腺がん検診の受診を迷っている方、又がん検診でPSA数値が高く不安な方、生検が初めてで、怖い思いがある方を対象に書きました。
本記事をお読みいただくことで、前立腺がん又は生検への不安がなくなり、前立腺がんと向き合い、生検を受検することで、今後の前立腺がんに対する治療方針が明確になり、明るい未来が見えてくることでしょう!
前立腺がん罹患率、2000年以降増加傾向

近年、急激な高齢化や食生活の欧米化などが原因で、国立がん研究センターの資料によると、前立腺がんの罹患率が2000年以降急増しております。
公益財団法人藤沢市保健医療財団 藤沢市保健医療センターHPでは、2020年約105,000人と増加傾向と公表されています。
前立腺がんは、前立腺の細胞が異常に増殖する悪性腫瘍
前立腺がんは、前立腺の細胞が異常に増殖することで発生する悪性腫瘍です。
早期の前立腺がんは自覚症状がなく、多くの場合比較的ゆっくりと進行します。
なので、進行抑制の為早期発見と適切な治療が重要となります。

PSA検査は、前立腺がんの早期発見に非常に重要な検査
PSA検査は前立腺がんの早期発見に非常に重要な検査です。
現在、50歳以上の方を対象に企業または自治体の定期検診で実施されております。

PSA検査の概要
- PSAとは前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen)の略で、前立腺から分泌されるタンパク質
- 血液検査でPSA値を測定。一般的な基準値は4.0ng/mL以下。(但し、年齢により、基準値は異なります)※グレーゾーン (4.0<PSA<10.0)の場合、前立腺がん罹患率約25~40%。
- PSA値が高いほど前立腺がんの可能性が高くなる。が、前立腺肥大症や前立腺炎でも上昇することあり。 PSA値のみで、直接前立腺癌の確定診断不可。
- PSA検査は簡便で精度が高いので、前立腺がんのスクリーニング検査として用いられている
MRI検査は、前立腺がんの診断に有用な画像検査
MRI検査は、PSA検査結果踏まえ、前立腺がんの診断に有用な画像検査となります。
MRI検査の概要
- MRIは強力な磁石と電波を使用して体内の画像を撮影する検査方法
- X線を使用しないため、放射線被ばくの心配なし
- 前立腺MRI検査では、前立腺の大きさ、がんの存在や広がりを評価可能
- MRI検査時間は20〜60分程度で、トンネル状の装置の中で仰向けで実施
- PSA検査と組み合わせることで、より正確な診断が可能
MRI検査は前立腺がんの診断において重要な役割を果たしており、PSA検査と併用することで、より精度の高い診断が可能となっています。
<体験談>前立腺がん確定診断のため、生検を受検

前立腺がん確定診断のため、J大学病院に2泊3日の日程で検査入院し、生検を受検しました。
入院1日目:スケジュール説明 ⇒体温・血圧検査 ⇒ 点滴
午前10時頃にJ大学病院の入院窓口で手続き後、午前12時前に泌尿器科の病棟に入室しました。
初めに看護師からオリエンテーションとして、前立腺生検のスケジュール説明がありました。

その後、昼食となり、病室での昼食メニューは、基本食B(ご飯(小盛り)、魚のソテー・トマトソース、海老入りマヨネーズサラダ、フルーツミックス、P牛乳200ml)でした。
食後に排便を促進するため、下剤(2錠)が支給され、内服しました。
昼食後は、体温、血圧検査後、感染予防の為、1回目の点滴(約1時間)が開始されました。
点滴を行う目的は、前立腺生検は会陰から針を刺し前立腺の組織を採取するために細菌が前立腺に侵入するリスクがあり、検査前から抗生物質の点滴を開始し、感染症、特に前立腺炎を予防するもの。
点滴終了後は、フリータイムとなったので、院内のカフェで休憩することにしました。
病院内にカフェがあると、リラックスできるので精神的いいですね。
PM6時頃、夕食が支給され、メニューは、基本食B(ご飯(小盛り)、肉じゃが、白菜の煮浸し(ツナ)、かぶの和え物、オレンジ2切と病状を考慮し、特別な栄養管理された食事でした。
夕食後は、抗生剤(1錠)が支給され、内服しました。
病院のベッドは固く、慣れないことも有り、なかなか眠ることができませんでした。
夜中には同室の方で、お経を唱え、大声を出す方。又、同室の他の患者の方に取り付けられた計測器のアラーム音等がなり響き、しばらく鳴り続ける等落ち着いて眠ることができず、病室内は、ワンダーランドの状態!
このような状態で、夜中には何度も看護師の方が病室の見回りをされておりました。
夜勤の看護師さんの方の働きぶりには感謝!感謝です!
入院2日目:点滴⇒下半身脊髄くも膜下麻酔⇒生検⇒点滴
入院2日目から、絶食となり、水分摂取はAM10までの制限がかかりました。
前日の尿(7回)と便(3回)の回数を看護師さんから聞かれ、回答。
AM10時頃、2回目の点滴が開始されました。
点滴の目的は、経口投与よりも確実に抗生物質を体内に届けることができるから。
PM2時過ぎ、手術着に着替え、看護師同行の上、徒歩で手術室に向かいました。
大学病院の手術室は、広く、大学・企業の実験室のような雰囲気に驚き!
手術室には、7~8名程。医者、看護師のほか、研修医も数名おられたと思われます。
室内の手術台は、コンパクトで細長くまるで実験台に乗っているかのよう。
下半身脊髄くも膜下麻酔実施
手術台に乗せられた後、最初に下半身脊髄くも膜下麻酔の処置が行われました。
下半身脊髄くも膜下麻酔は、手術台で横になり、体をÇ形状に曲げ、背中に注射で麻酔するものです。体を海老のように曲げることは慣れていないため、麻酔する体勢にするまで難儀しましたね。
次に点滴した状態で、体には心電図プローブ、血圧測定器、酸素濃度計測器が取り付けられました。
麻酔後、麻酔状態確認の為、麻酔科医師が、私のへその下からへその上までジェルを塗り、指でなぞり「患者に冷たい感覚があるか、感覚なしか」念入りに麻酔状況を確認しておりました。
麻酔後、約3分経過後?へそから下の下半身は冷たい感覚がなくなりほぼ硬直状態。
およそ10分経過後には、まったく下半身の感覚がなくなりましたね。
手術室では生検の準備が進められ、私は上半身意識があるのでしきりに看護師の方が、私の耳元に「如何ですか?」「気分悪くないですか?」等、話しかけてくれました。
生検という初めての医療行為の中で、随時話しかけていただくと安心できていいですね!
生検開始 ⇒ 手術室前方からいきなり爆音?が・・・・
準備完了後、いきなり前方から「パ〜ン」というピストルのような大きい音が聞こえました。

※標的生検は、実際リアルタイムで観ていないので、上図はイメージ。
ご参考:富士フイルムヘルスケア株式会社 超音波診断装置 ARIETTA 65/MRI-USフュージョン前立腺生検システム動画より抜粋

何を隠そう、入院2日目の大イベントである生検が始まったのです。
立て続けに、「パ〜ン」というピストル音が、連続発射。
生検の現場は、患者の前方に高い仕切り板が設けられ、直接見れない状況でした。
ピストルのような大きな音にビックリしたので、その後、近くの医療スタッフにヒアリングしたところ、自動生検装置(生検ガン)による音とのことでした。

事前に説明してほしかったなあ~
生検は、14針刺入&組織採取し、無事終了しました。
生検時間は、準備含め概ね約1時間程。その場にいた担当医の話では、患部からは、若干の出血があったとのことでした。
最後に尿道カテーテルを留置され、ストレッチャーに身体を乗せられた後、病室に戻りました。
いずれにせよ、生検ガンは爆音を発することから、事前に患者に音が出ることを説明し、心の準備をしてもらうことが重要ですね。 医療スタッフの方、ご配慮お願いしますね。
参考までに、自動生検装置(生検ガン)のメリットは以下の通り。
- 正確性:装置が高速で針を前立腺組織に刺入することで、より正確に目的の部位から組織を採取。
- 迅速性:手動で針を刺すよりも素早く組織を採取できるため、患者の不快感を軽減し、検査時間を短縮可能
- 均一性:自動化されているため、複数回の組織採取においても一定の品質と深さで採取可能。
- 安全性:医師の手ぶれなどによる誤刺入のリスク低減&周囲の組織への損傷を最小限に抑えること可能
病室に戻ってからも、点滴は続きました。 生検後の点滴の目的は以下の通り。
・検査後も抗生物質の投与を継続することで、感染リスクを低減。
・生検後に起こりうる血尿や出血に対して、適切な水分補給を行うことで、尿の排出を促し、血尿の改善を助ける。
・点滴を通じて、患者の全身状態を管理。必要に応じて他の薬剤を投与することも可能。
入院3日目:点滴終了⇒体温・血圧・酸素濃度チェック⇒注意事項説明⇒退院
前夜から抗生物質による点滴が続き、AM5時に点滴終了。
点滴の管が左腕から外され、AM6時にようやく尿道カテーテルも外されました。看護師の合図で、深呼吸しながら尿管を外してもらいましたが、外れたときに若干の痛みがありました。
その後、ベッドから立ち上がることができ、看護師付き沿いのもとやっと歩行可となりました。
その時、自分の足で歩くことができる爽快感は、忘れません!
朝の検査は、血圧については、ベッドに寝た状態と立った状態で各々測定。立った状態では、寝た状態に対し、血圧が‐20mmg位が下がっていました。
AM7時半頃、朝食が支給されました。 朝食メニューは、基本食B(ご飯(小盛り)、味噌汁・和風ミートローフ・2切、ツナ入和え物、P牛乳200ml)でした。
朝食後は部屋を片付け、AM9頃にJ大学病院を退院することができました。
退院にあたって、生検後の生活上の注意事項について、看護師より、以下説明がありました。
◆前立腺生検を受けられた方へ(J大学病院の看護師から受け取った文書より抜粋)
一検査後の注意事項一
退院後、起こりうる心配な症状は、急性前立腺炎(発熱、排尿痛、頻尿)・精巣上体炎(陰 嚢内容の腫大、疼痛)などの感染性疾患・血尿の出現などです。
1) お酒について
術後2週間、アルコールは禁止です。それ以降については、外来で担当医に相談してください。
2) 自転車やバイクについて
サドルで刺激され、膀胱に負担がかかることがあります。退院後次の外来受診までは禁止です。乗 られる方は外来担当医に相談して下さい。自動車の運転は問題ありません。
3) 発熱について
前立腺や精巣上体に感染が生じし、発熱・局部の発赤・疼痛が生じることがあります。38度以上の高熱が続くときは、病院に連絡し受診してください。
4) 血尿について
検査の影響で数日から1週間程度血尿が出ることがありますが、ほとんどの場合自然になくなります。 水分を多めに摂取し、安静にして様子をみてください。血尿がひどくなったり、尿が出ないなどの症状 がある場合は、病院に連絡して外来受診してください。血をサラサラにしている薬を飲んでる方は特に 血尿がでやすいので注意してください。
5) おしりの痛みについて
検査の影響でおしりの痛みを感じる場合がありますが、自然に軽減しますので心配いりません。症状が強くなった場合は病院に連絡して受診して下さい。
6) 入浴に関して
退院後より入浴可能です。
退院後、何かあった場合、J病院まで連絡するよう指示されました。
緊急の場合、日中だけでなく夜間も対応頂けるとのことで安心しました。
入院&生検費用は、国民保険加入なので3割自己負担で54,120円でした。
退院約1ヶ月後、生検結果は、異常なし
退院してから約1ヶ月後、大学病院の外来で、泌尿器科担当医師から生検結果の説明がありました。
結果、生検で疑わしい前立腺がん組織箇所(14針)採取結果、がん認められず。
今回の生検結果では、14針採取し、異常は認められなかったものの検出しづらい小さながんが存在している可能性を否定できないため、必ずしもがんの存在を否定することはできないとのことでした。
従って、今後の治療方針は、定期的にPSAを調べ、監視の予定。
PSAの数値が上昇傾向(従来比1.5倍)が認められた場合、再度生検等別途アクション予定。
まとめ
近年、急激な高齢化や食生活の欧米化などが原因で前立腺がんの罹患率が増えています。
前立腺がんは、前立腺の細胞が異常に増殖することで発生する悪性腫瘍ですが、検診により予防可能です。
50歳以上の方で、前立腺がんが不安な方は、先ずは前立腺がん検診の最初のステップであるPSA検診を受診しましょう。
PSA検査結果で、ある程度、前立腺がん罹患を予測することが可能です。
PSA値が、4.0<PSA<10.0の場合、前立腺がん罹患率:約25%~40%とのこと。
PSA値が上限基準:4.0を超えている場合、MRI検査を経て、最終的には生検で疑いのある組織を採取し、顕微鏡での観察により、がん罹患有無を確定します。
生検にあたって、2泊3日の検査入院が必要でしたが、生検時は、下半身脊髄くも膜下麻酔処置により行うので痛みはなく、想像していたより、安心して生検を受検することができました。
生検後、2から3日血尿が若干確認されましたが、一週間経過時点で発熱、おしりの痛み等無く、至って正常です。
これから生検を受けようと思っている読者の方、
生検は決して怖いものではありません。
前立腺がんを特定するためのプロセスですので、十分理解頂き、前立腺がんと真摯に向きあうことで、生検をスムーズに受検することができるでしょう!
生検を受検することで、今後の前立腺がんに対する予防(治療)方針が明確になり、快方に向かわれることを、生検体験者として願わずにはいれません。
本記事をお読み頂き有難うございました!
にほんブログ村ランキングに参加しています。
良かったらポチッとお願いします!

にほんブログ村
コメント