インデックスファンドの生みの親と称されるバンガード・グループの創業者の元会長_ジョン・C・ボーグル著「インデックス投資は勝者のゲーム」 ~ 株式市場から利益を得る常識的方法~ を読了。
当書は、インデックスファンドを心から愛して投資活動をしている投資家だけでなく、これから投資を始めようと思い、何に投資をするか、迷っている投資初心者向けに書かれた書籍です。
投資に対する考え方が、懇切丁寧に解説されており、投資の基礎を学ぶには絶好の書籍です。
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当書は、現状数多くのファンドが販売されている中で、なぜ、インデックスファンドを選ぶことが重要か、その理由を過去のエビデンスを示し、丁寧に説明されており、説得力があります。
当書の結論は、投資で勝者になる為に重要なポイントは、以下の3点を死守すること。
①分散(市場全体)②低コスト(信託報酬:小)③長期(ホールド)
つまり、市場全体のポートフォリオを有する低コストのインデックスファンドを取得し、途中で売買を繰り返さず、永遠に持ち続けることが重要なのです。
なぜ、この3点を死守することで、投資で勝者になることができるのか?
その理由について、当書の重要ポイントを示しつつ、私の意見を付記&解説したいと思います。
市場全体のポートフォリオを有する
当書では、アメリカの株式市場に上場している株式のすべて、又は小型株を含む市場全体を保有する広く分散されたファンドを取得することを推奨しています。
伝統的なインデックスファンドとは?
この伝統的なインデックスファンドは、大型株上位500銘柄のS&P500指数に連動するもの、大型株500銘柄だけでなく、中型、小型株含む約4,000銘柄からなるCRSP USトータルストック・マーケットインデックス指数に連動するものがあります。
また、30の大手企業(工業部門)を代表する企業の平均株価指数として知られているダウ・ジョーンズ・インダストリアル平均があります。ダウ平均とも呼ばれ、現在は工業部門だけでなく、金融部門やサービス部門などの企業も含まれています。ダウ平均は、アメリカの経済情勢を示す指標としても用いられています。
インデックスファンドの具体例
この具体的なインデックスファンドには、米国株式上場投資信託(ETF)があります。
ETFには、S&P500指数に連動する世界最大級の米国資産運用会社(バンガード社)の商品名「バンガード・S&P500ETF」(ティッカーコード:VOO)。
また、CRSP US指数に連動する「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(ティッカーコード:VTI)が、該当します。
私は、約2年前に、上記2銘柄の定期買付けを開始しました。
インデックスファンドのリスク
インデックスファンドのリスクについて、当書では、以下コメントされています。
インデックスファンドは、個別株や市場セクター、運用会社の選択に伴うリスクを排除する。
残るのは、株式市場のリスクだけである。
当書:6P 記念すべき第10版に向けての序文より
つまり、一般的に金融商品には、多くの様々なリスクがあるも、市場全体に投資するインデックスファンドは、株式市場のリスクに限定されます。
従って、インデックスファンドは、市場のリスクを受け入れる必要あるものの、他のファンドに対し、ある程度のリスクヘッジがされており、長期的な資産形成には妥当なものと考えます。
低コストを追究したファンドに集中する
投資信託を保有すると、買い付け時及び運用時に信託報酬という形で手数料が発生します。
手数料による影響(インデックスファンドvsアクティブファンド)
投資信託には、インデックスファンド以外に典型的な株価指数を上回ることを目標に投資するアクティブファンドがあります。
アクティブファンドは、ファンドマネージャーの力量に依存する部分が大きい為、信託報酬が1%以上と大きく、ポートフォリオの回転率も高い為、投資収益を減少させてしまいがちです。
但し、アクティブファンドでも、銘柄によって短期的にはインデックスを上回る収益を生み出すものがありますが、長期的には大方インデックスファンドに負けているのが実態です。
当書では、以下、コメントが記載されております。
投資家は、経費率をファンド選択の第一の基準とすべきである。経費率は、最も信頼に足る、パフォーマンス予測の材料であり続けるのだ。
→ コストの低いインデックスファンド
当書:73P 第5章もっともコストの低いファンドに集中せよ
インデックスファンドの信託報酬が小さい方が、投資家が得る収益が多くなります。また、投資は、複利の効果があるので、長期的には、信託報酬の差により、最終的に投資家が得る利益に大きな差が出ることになります。
もっとも低コスト(信託報酬)ファンドの具体例を紹介
ちなみに、バンガード社の上場投資信託ETF(VTI),(VOO)の信託報酬は、0.03%(2023.2.20) これは、国内の投資信託の信託報酬(経費率)に比較すると、格安となっています。
投資信託の信託報酬は、保有している限り、定期的に運用費用として、発生します。
従って、投資信託を長期で投資する場合、当該ファンドは、最も収益率の高い、コストパフォーマンスの良い投資先であると考えます。
時間を味方に長期的な勝者を選択
国内・米国・外国株式等は、その時の経済状況によって株価が大きく変動するので、経済状況が悪いと投資時期によって、投資収益が赤字になることもあります。(昨年2022年が、そうでしたね!)
低コストのインデックスファンドを長期間保有するメリット
しかし、低コストの市場全体のポートフォリオを有するインデックスファンを長期間保有することで、時間を味方に、複利での収益アップが期待できます。
なので、低コストのファンドは、株式市場の収益に対して、運用会社へ支払う経費が小さいので、当該経費を差し引いても、長期的には、複利で十分な利益が期待でき、最終的に勝者となる確率が高いと言えます。
アクティブファンドを保有するデメリット
一方、信託報酬が高いアクティブファンドは、株式市場で得られた収益に対し、運用会社に支払う経費が大きく、且つポートフォリオの市場で売買等の発生する費用で相殺されるので、最終的に投資者が得られる利益が小さくなってしまいます。
従って、誰にでも、お勧めできる投資先ではないものと考えます。
最後に、当書でのアクティブファンドに関するコメント、以下に示します。
ファンドの破綻率は、80%になる。
成功する確率は悲惨なまでに低い。355本のファンドの内、本当に優れたパフォーマンスを提供してきたものは、たった2本しかない。
生涯にわたってインデックス運用をするには、主要な選択肢が二つある。30~40本のアクティブ運用のファンドに投資するか、運用会社に依存しない一つのインデックスファンドに投資するか、である。
当書:第10章 長期的な勝者を選択する
このことから、いかにパフォーマンスの優れたファンドをみつけるのは難しいということですね!
まとめ
当書では、過去の歴史を踏まえ、投資家にとって株式市場で勝者になる重要なポイントが、提示されております。
それは、以下、3点を死守すること。
①分散(市場全体)②低コスト(信託報酬:小)③長期(ホールド)
つまり、世界市場又は米国市場全体に分散された低コストのインデックスファンドを長期間保有することです。
投資家は、これを死守することで、誰でも、長期間にわたって、経済成長の恩恵により、株式市場全体の利益に近い収益を獲得することが期待でき、最終的には、勝者となることができるのです。
あなたも長い人生での資産形成に、インデックス投資にトライし、勝者になりませんか!
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